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…あの
私…
…なんかめっちゃ睨まれていますけど
怖
…でも
彼に怒られるのはどうかと思う
…そんなに責められることかな
もちろん
褒められることではないけど…
それに
跡には残ってるけど
あれは
事故みたいなもので…
私の身体に起こったことは…
…私だけのものだし
…あなたには関係ない事だと思うけど…
…さっきからずっと
彼のズボンの
後ろポケットにある携帯から
着信音が鳴っている
「…それ…いいの?
早く行かないと…
下で待ってくれてるんじゃない?…」
早く行くように促しても…
私を睨んだまま
ピクリとも動かない…
…もう、何なの
強硬手段で
玄関のドアを押し開けて
「…はい、いってらっしゃい!
頑張ってね!…」
ちょっと強引に外に出そうとしたら
『ギュッ』
彼の腕の中に閉じ込められた…
「……A…
今日帰ってきたら大事な話しがあるから…
ちゃんと聞いてね…」
そして彼は少し身を屈めると
私の首筋に残っている跡に
上書きをするように
彼のぷっくりした唇で
『チュッ』
音を立てて口を付けた…
「…消毒しとかないと」
彼はそう言って
少しは満足したのか
それからは
いつも通りに仕事に出かけた…
…
…
寝る前に軽くシャワーを済ましてと…
私は自分の部屋の
バスルームの鏡の前で
途方にくれていた…
…
やだー…
なにこれ
ほんま
あかんやつやん
首筋の目立つ所に…
くっきり赤紫色の跡…
なんて事
いい歳して恥ずかしい…
これを
みんなに
気付かれた時に
上手な言い訳も思い付かず
思い付いた案は
とりあえず
この跡が消えるまで
髪の毛で見えないように
隠したらいけるかな…
だった
テープとか貼ると
かぶれるんだよね…
まぁ…
他のみんな
私に興味がある訳でもないし…
大丈夫だよね
…『トントン』
…「ヌナー、ちょっといい?」
部屋のドアの外で
私を呼ぶ声がする…
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作者名:名無し85203号 | 作成日時:2023年6月30日 12時