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…さすがに
いつまでも抱きしめて離さない俺を
不思議に思ったのか
俺の腕の中のヌナが
俺を下から見つめてきた…
俺もヌナのことを見つめる…
いい加減
離さないといけないのに…
何故か離すことが出来ずにいる…
見つめ合ったまま数秒が過ぎた…
どうしたいんだ俺は…
どうしたらいい…
『ゴクリ…』
…覚悟を決めて唾を飲み込んだ
だせぇな…
すげぇ…
必死になってるし…
「ヌナ…あの…ごめん…」
俺は両腕でヌナを抱きしめなおすと
耳元でささやいた…
…自分が出した声が
掠れていたことに気付いた…
変に冷静な自分に驚きつつも
次の行動は止められなかった…
「…えっ、なにが…ごめん…」
って言いかけてるヌナの口を
俺は自分の口で塞いだ……
合わせただけの唇…
ヌナの腰を『グイッ』と俺に寄せると同時に…
ぬるっとした俺の舌を
ヌナの口の中に入れて…
ヌナのかわいい舌を探す…
…はぁやべえ…
とまんねー
あー…
余裕ねーなー…
その辺の若造でもあるまいし…
…この頭の奥が痺れる感じ…
俺はさっき倒れて山になっているタオルの上に…
ヌナをそっと寝かせた…
ヌナの顔を見ると…
真っ赤になって…
口元はぬるぬるで…
目もトロンと溶けそうだ…
首筋に口をつけると…
静かに甘い吐息をひとつ吐くヌナ…
甘い匂いがして…
どこかで嗅いだ事のある匂い…
この匂いがする男を…
俺は…
ひとり…
知っている…
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作者名:名無し85203号 | 作成日時:2023年6月30日 12時