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静か ページ1

『蓮くん、!』





『乃杏、おはよう』





その声が好きだった。





密かに移動して座った隣の席




窓の外を眺める横顔も


隣に来た私に気づいたときの







あの眩しい笑顔が好きだった。







『だって、不安だったんだもんッ、』






『大丈夫だよ、乃杏だけだよ、。』




私の頭に乗せられる大きな暖かい手も




抱きしめられる感触も





大好きだった。










ピピピッ ピピピッ ピピ ガチャ






カーテンの隙間から眩しすぎる陽の光がさす。





布団の中で生ぬるい体。




抜けきらない微睡み。





起き上がると鉛のように重い体。







生活感のない部屋。






洗面所の鏡に向えば幸せとは程遠い顔。





今日も同じ一日が始まった。












満員電車に揺られて30分。







今日も同じ会社で同じ仕事をする。










「おはようございます、先輩」





冬「ちょっと笑、1年違うだけじゃん!」
 「しかも同級生だし!!!」





「おはよう?とーあーちゃーん!」






おはよう、乃杏と笑顔で言うのは



高校時代の同級生、佐藤冬空。




1年生からのクラスメイトで、

ずっと仲のいい親友。












2度目の就活で疲弊していた私。


なんの希望もなく就職した矢先




親友がいるとも知らずに入社した初日。




高校卒業後、誰とも連絡をとっていなかった私が



初めて再会したのが冬空ちゃんだった。









緊張が解けたのと


再会の嬉しさに涙しながら挨拶したのを覚えている。












冬「ねーえ?乃杏」
 「今週末、同窓会あるんだけど行かない?」







そろそろかなー、とは思っていた。



もちろん、冬空ちゃんに再会していなかったら


行くつもりなんてなかったし




そもそも誘われることもなかった。








「それって、高3のときのクラス、?」







ちょっと気まずそうに頷く冬空ちゃん。




まぁ、そうだよね、高2のクラスで、とかはあんまりないよね。







「冬空ちゃんが行くなら、行こうかな」











冬「え!?、」





なんとなく、思っていることが分かった。





自分でも、自分から振っといて、とも思う。



ただ、どんなに辛いときでも、


忘れられなかった。







「、うん。目黒くんに会えたらなって。」







どんなふうに成長したんだろう。



どんな素敵な人になってるだろう。






きっと好きな彼のままだろうな。

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作者名:あまつかくらげ | 作成日時:2024年3月20日 21時

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