-Sugar High Ⅱ-【紅一点:YG】 (ページ17)

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ステップアップLOVE‥‥【YG】ページ17

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『あ、やっぱり一位はシュークリームだ！』

「‥マジか。」

項垂れる俺の腕の中では自分の予想が的中し喜ぶA、俺はその横顔を恨めしそうに見つめながら大口を叩いた数分前の自分を悔いるのだった。

・・・

夕飯後のリビングにはAの後片付けを待つ俺の姿だけ。

最早BGMと成り果てたテレビでは特にめぼしい番組もない。手持ち無沙汰にリモコンを手で遊ばせていると『もうすぐそっち行くからチャンネルそのままにしといて〜』とテレビの決まり文句みたいなことを言いながら後ろで慌ただしく動き出したAに口元が緩む。断る理由もないので「おー」と生返事を返し、流れる映像を見ていると

「コンビニスイーツランキング‥？」

よく耳にするBGMに、これまた無駄にキラキラした安っぽいテロップが舞っていたのでそれをそのまま口にする。

『コンビニのスイーツあるでしょ？それをプロのパティシエが判定してランキング付けるの。』

「こんなん結局個人の好みじゃん。パティシエが選んだから何って感じだよな。」

『あのね、それ言っちゃおしまいだから‥』

呆れたように笑いながらようやくこちらに来たA。いつものように腰を引き寄せようとすると、それより先に彼女がソファに座る俺の足の間に入り、俺の腕を自分の腹に回している。普段からどこかしら触れ合っていないと落ち着かない俺たち、そういえば*あの事件以来、Aからのスキンシップが増えた気がする。

『ユンギ？どうしたの？』

「いや‥あれ、お前シャンプー前のに戻した？」

『ユンギこの匂いのが好きって言ってたから。』だから戻した、とさも当然のように言うAに「ん‥好き。」と俺もここぞとばかりにAの髪に鼻を埋め、より一層強く彼女を抱きしめる。可愛い、愛おしい、そんなAへの感情は日ごとに肥大するばかりだ。

「これまだ見んの？‥早くAの部屋行こ。」

『えー、まだ始まったばっか‥じゃあユンギが一位当てれたらねㅋㅋ』

「言ったな？こういうのは無難にプリン選んどきゃ間違いない。」

と、こうして冒頭に至る訳だが、往生際の悪い俺は諦めるということを知らない。『残念だったね』と笑うAの耳元で「俺よりテレビの方が大事なわけ？」とわざと息を吹きかけるように囁いてやるとAは途端に黙り込み、耳を赤くする。それに気を良くした俺はAを抱き上げ、有無を言わさず彼女の部屋に足を進めるのだった。

* あの事件‥(本編：勝ち戦参照)

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