俺達、ピュアに繋がりました⑥《 JK ver. スピンオフ/うその帰り道》 (ページ14)

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232 梨ダイエットページ14

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地下鉄を降りて、自分の家の前につく。いつもは少しホッとするのに今日は凄く寂しく感じた。ジョングクくんちより単純な作りの小さなマンションのエレベーターはボタン押せば開くのに、今日は上からスーっと降りてきた。

中にはいつもの顔があって開くと同時に互いに頭を下げる。目を合わせて「こんにちは」を言い合うと、抱えた段ボールを少し上げて

『今これ。持って行ったんですけど、留守だったんで。丁度良かった、』

「…えっそうですか、…それは？」

『梨です』

梨…ですか？

『送られてきても食べきれなくて』と抱えた段ボールを見つめて『梨、嫌いですか？』「好きです、けど…」『良かった。部屋まで持っていきますね』

と、いつかもこんな会話したなあ…と思いながら梨を遠慮なく戴く。この間はキウイだったか。と思い出して、当たり障りない会話をしながら、部屋の玄関に梨を置いてくれたから「いつもすみません…」と深々頭を下げる。

去っていく背中は何度見ても特記する事がひとつもない普通の同世代の男性で

それを見ながら、ジョングクくん…やっぱ見た目もスーパーダーリンだよな、とﾑﾌﾌと笑ってる自分に気付いて、口を瞑って部屋に入る。

どんなに深夜になっても
お酒のみながら待っていようと思ったのに。

私はどうしてこんなに寝坊助なんだろう…

JK「……さん、」

ジョングクくんからの電話はもう日付けが変わった頃。

「ん、……。」

JK「今帰ってます…って、もう寝てましたよね」

「ん…ちょっと寝てた…かな…」

JK「起こしてごめん、」

いつもどうも待てない自分が、悔しい。

「おつかれさまぁ…」

JK「そりゃ寝ますよね。疲れてるだろうし…」

「んー…ジョングクくんの方が疲れてるよ…」

JK「めちゃくちゃ眠いっす。寝たい」

…だよね。だよ、

JK「でも…Aさんに逢いたいな…」

開かない目を擦る。ジョングクくんの甘い声の逢いたい…を布団の中で聴くのは
幸せ過ぎて甘過ぎる…

「…私も。逢いたいな…」

JK「明日は？」

「12時から美容室だよ、」

JK「…そっか」

「あ…ジョングクくん梨とかたべる？」

JK「梨…はあんまり食べませんけど、あれば食べますかね？」

「たっくさーんあるから、あげる」

JK「……沢山」

「明日から梨ダイエットする…か」

JK「しなくていいし。美味しいもの一緒に沢山食べるの。明日の夜は？」

「んー…。へへ、」

JK「迎えに行きます」

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