俺達、ピュアに繋がりました⑥《 JK ver. スピンオフ/うその帰り道》 (ページ3)

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221 胸がいっぱいページ3

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夢を見ることなく深く眠った。けど長く眠った気はしなかった。寝たのは朝を随分過ぎてたから今はお昼過ぎだろうか。

まだ冬が始まったばかりなのに春が来たようなこの暖かさは、お布団の中に人が二人いるからだ。

「ん～…あったかぃ…」

もっと深く暖かい中に潜り込みたくてウネと動くと直接触れあう肌の感触にｷｭﾝ…と胸が熱くなる。ぎゅ、と抱きつくともっと胸がアツアツだ。

JK「……起きましたか？」

瞼を開けて見上げると自分の腕を枕にしたジョングクくんがいた。

口元はほんの僅かに笑ってて、目が少し赤い。うるうると揺れる瞳。濡れた睫毛がぱち…ぱち…、と動いた。

「…おはよ、ジョングクくん」

JK「おはようございます、Aさん…」

…スッと鼻をすすりながら、「どんだけ寝んすか」って呟くジョングクくんに静かに抱き締められた。
目の前が暗くなる。ジョングクくんの胸の中に収まって、肌と肌が隙間なくくっつくとさっきより更に深い場所がｷｭｩﾝ‥と締め付けられた。

「そんなに長く寝たかな…」

JK「俺が起きてから一時間は寝てたっす」

「起こしてよ」

ムクリと顔をあげる。やっぱり潤んだ赤い目。

JK「気持ち良さそうに口開けて寝てたから」

「うそ、」

JK「フフ、」

また鼻をすする。笑いながら目尻を拭くような仕草をした。

……ジョングクくん、

「……泣いて…た？」

JK「なんで。なんで彼女と土曜の休みを満喫してる男が泣くんすか、」

「だって…目が」

JK「あくびじゃない？」

「あくび？」

JK「眠いし。あー、ねむ…」

そう言ってもう一度、ぎゅぅ…と抱き締められた。やっぱり春が来たみたいに、あったかい。

キメ細かい綺麗な肌の、程よい固さと、程よい弾力を生身の肌で味わう。しゅるしゅるしたくなるくらい、愛しい。
少しだけ、顔を鎖骨あたりに擦り寄せて、しゅるしゅる動かす

うぅ…なんでこんないい匂いがするんだ？
髪…なのかな。フェロモンの香り？

そんな事を考えながらニマニマしてると、やっぱり鼻をすする音がして、急いで顔を上げようとする

「ジョングクくん？……泣い」

顔をあげようとしたのに、胸に押し付けられた。

JK「泣くはずが無いです。悲しい事何かひとつもない朝なんすから、」

ジョングクくんに、包まれる…
じゅわ…と目頭が熱くなった…

ジョングクくん……
涙は、悲しい時じゃなくても溢れるよね。
胸がいっぱいだと、溢れてくるよね…

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