俺達、ピュアに繋がりました⑥《 JK ver. スピンオフ/うその帰り道》 (ページ38)

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雪だるまを置いたら、キッチンに向かう。持ってた紙袋から長方形の白い箱を取り出して冷蔵庫を開けた。

JK「あ…れ、」

「ジョングクくん…もしかしてそれ、ケーキ？」

JK「…Aさんも買ってきた？」

「…うん。へへ、」

ハハと笑って「どっちが美味しいか勝負ですね、」って目を合わせる。

「ジョングクくんもショートケーキ？」

JK「開けてからのお楽しみ。Aさんショートケーキなんすね」

「ジョングクくんは長方形だからロールケーキだね」

JK「さあ。…どうでしょう？」

嬉しそうに冷蔵庫へケーキを入れた。

JK「さてと。」

上着を脱いで、キッチンで手を洗う。

JK「ああ。Aさんは座ってて」

…何だろうと見ていたら、コンロに置かれたお鍋の蓋を開ける。中を覗きながらおたまでクル～っと回して火をつける。

「…なあに、それ」

JK「クラムチャウダーっす。作ってみた」

「クラム！？！」

すごっ…

その後もキッチンでテキパキ動くジョングクくん。彼氏が飾ってくれた部屋で彼氏の作ってくれたクラムチャウダーを待つ。

…そんな彼女で
ジョングクくんは満足なんだろうか。

JK「出来た、ブロッコリ！」

ちょいちょいって、私をキッチンへ呼ぶ

JK「これをツリーみたいにお皿に盛って、プチトマトで飾りつけて下さい」

言われた通り茹でたブロッコリーをもみの木みたいに並べて、トマトを飾る。

「おぉっ！かわいい」

JK「完成！…あっ、チキン温めないと」

机の上に並ぶ、ブロッコリーのツリーとBIGなチキン。クラムチャウダーから湯気が出てて、赤ワインをポン！とあける。
隣に座ったジョングクくんがそれをワイングラスに注いだら、カチン！と響かせて乾杯した。

JK「メリークリスマス」

「メリークリスマス！」

見つめ合って「高級レストランじゃなくて、ごめん」って眉を下げる。クリスマスは高級レストランって思ってるとこが凄くかわいい。「来年。約束します」とグラスに口を当てた。

大きなツリーがキラキラ光る。
目の前のグラスに、自分が映る。

ありきたりな約束、だけど。
ずっと一緒にいよう。とかより、近い未来の約束を積み重ねる方が幸せだなあ…と思う。

ワインの香りが鼻を通って、口の中にもわんと広がる。

ジョングクくんは舌を鳴らして味を確認したら、ジ、とグラスを見つめる。眉間にシワを寄せて「味…わからん。」って真面目に言うから笑ってしまった。

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