俺達、ピュアに繋がりました⑥《 JK ver. スピンオフ/うその帰り道》 (ページ49)

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266 何かの間違いページ49

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見るなと言われたら、見たい。
見ない方が身の為とそれを見ずに溜め込んでも、結局は見た時と同じ。

ずっと胸の中にほころびが残る。

ユンギさんが私を胸に抱き締めるまでの数秒で、私は窓の外を見た。

窓の外に、誰がいるのか…知らないけど。

YG「今一瞬みたろ」

「…うん。でも見えなかった」

YG「お前運悪いな。信号…赤だって」

ユンギさんのスーツは、お昼に食べたカレーの匂いがした。ユンギさんの体は、ジョングクくんより少し狭くて窮屈で…

運転手さん
今またギョとしてるんじゃない？

赤信号で止まったら、
後部座席で密着してんだもん。

「どんなひと…ですか」

YG「さあ。」

「綺麗な人…？」

YG「別に。」

「背が高くてモデルみたいで…」

YG「なにお前。思い当たる奴でもいんの」

「…勝手な、思い込みです」

YG「……」

「まだ、いる？」

YG「現実みて、問い詰めるか。見ないまま、穏やかな幸せに浸るか」

「見ないまま、信じる」

YG「お前が選びそうな方」

「きっと何か…間違いだから」

YG「……」

「ジョングクくん…笑ってますか」

YG「さあ。お前が見ないなら俺も見ねえから。俺は今お前のつむじ見てる。フケ。」

「最低ですね」

YG「…心臓早すぎん？」

「ドキドキなってます。ジョングクくん、浮気してるから」

YG「信じるんじゃなかったのかよ」

「信じてます」

YG「浮気してる男信じるって。割れた卵ゆで卵にするみたいな…？…出来んのかよ」

「お酢を入れたら出来ます、オンマが言ってた」

YG「へえ。今度してみるわ」

お酢を入れて茹でたら
何事もなかったみたいに固まる

ちょっと形はイビツになるけど
ちょっとくらいのほころびは、気にならない。

タクシーが動き出したら
ユンギさんは私を離した

「ユンギさんも…会社に綺麗なひとが居たら、浮わつきますか」

YG「さあ。お前しか居ないからな」

また、窓の外を眺める。

YG「お前と親父みてーなデカイ女しか居ないからわかんないわ」

「ジョングクくんって、私の事…凄く……好きなんですよ」

YG「…そりゃ良かった」

「だから、何かの間違いですよね？」

YG「さあ。」

「ジンさんなら、何かの間違いだよ。って言ってくれますよ」

YG「言ってもらえたら、何か変わんの」

そっぽ向いたままのユンギさんは

YG「何かの間違いだよ」

そう言ってくれたけど。

確かに何も…変わらないよ。

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