俺達、ピュアに繋がりました⑥《 JK ver. スピンオフ/うその帰り道》 (ページ9)

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JK「……えっ…ああ、マジっすか…。今空港ですよね」

私をじぃ…と見て、ぱっと視線を外す。

JK「…家っすけど。まあ30分ぐらいで何とか…。いっすよ、仕方ないです。それより無理してんのは先輩でしょ」

またゆっくりと視線が戻ってくる。遠いモノを見つめるように緩く開いた瞼が私を見つめる。吸い込まれてしまいそうな目の中に、不安そうな顔の自分が映る…

JK「……すぐ行きます」

温室の中なのにズキと冷たい。一瞬芽生えた感情を言葉にするまいと噛み殺してお箸を置く。
携帯を机に置いたジョングクくんが、眉を下げた。

JK「ごめん、Aさん」

噛み殺してスルーした感情に一生出てくるなと蓋をして柔らかい表情を作る。

「会社？何かあったんだね」

JK「…ごめん、」

「何で謝るのっ！仕事だよ、仕方ない。帰るよ！」

帰ってって言われる前に、物分かりの良い私がニッコリ笑う

JK「…帰る？まあ…っすよね。何時になるか、わからないし」

お皿を眺めながら、ハァって大きな溜め息みたいな声を出す。「待っててってのは…ワガママです。」そう言い聞かせるように呟いて、立ち上がった。

「急いで！気にせず」

ごめんなさいと言ったジョングクくんは急いで着替えを開始する。部屋干しされた大きなズボンに白いトップスを着てそのまま走って洗面に向かうとシャーと出しっぱなしの水の音が部屋に響く。戻ってきたら「あーも、キャップでいっか」と髪をかきあげキャップのつばをクイッとした。「あ…そうだ」と次は筋トレ部屋に走ってく

走って戻ってきたらキョトンと見上げる私に裸のキーを向けた

JK「合鍵っす、これ、もうAさんのだから。」

ひんやり冷たい裸のキー。受け取った手を両手で包んで「もう、返さないで下さいね」と言った。

JK「あ、片付けとか、全然しなくていっすから！」

また急いで洗面に向かった。バタバタと戻ってきたら

JK「あぁお土産…渡せなかったんで」

キャリーの横の紙袋に目をやる

「あの中のどれか？なら持っ」

JK「全部っす。あれ全部！」

「へっ！？紙袋いっぱい、全部！？」

JK「なんか、気付いたらいっぱいだった、だから電車じゃ無理だから、また！」

そう言ってジャケットを羽織る。

JK「あのっ、早かったら電話します」

ジャケットのフードをキャップの上からかぶる

JK「の、遅くなっても電話します！」

うん！と頷く。

JK「けど、待ちぼうけにしてしまうのは嫌なんで…待たないで」

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