キム社長と秘書３

バカンス ページ32

『気持ちいい〜』





NJ「いいなこういうのも」





翌日 Aさんの旅について島へ行った。





自転車で風を切って走り


自然をたくさん感じる１日を過ごした。






『ゆっくりお休みなんて久しぶりじゃないですか？』




NJ「思いきりも大事だな」






いつも仕事が最優先で、

無駄なことはしたくない




そればかり考えてきたような気がする。





NJ「今頃みんな必死に働いてるんだな」



『社長の１日を独占してると思うと悪いですね』



NJ「ジョンくんもいるしなんとかなってるだろ」




『フフフ 社長と旅行なんて贅沢です』








美味しいものを食べて


芸術に触れて


自然を感じて




二人でただ過ごす


最高の１日だった。







『海だぁ』



NJ「最高の場所だな」




絶景を前にして

心が洗われるようだった。



NJ「こんな風に過ごすなんて昨日まで想像もしてなかった」



『ですね。夢みたいです』



NJ「気になってることがあるんだが、聞いてもいいか」
　

　
『なんですか？』

　

NJ「手帳に、お守りを挟んでるのか？」


『‥‥なぜそれを』



NJ「聞いたんだ。好きな人にもらったと言ってたが」


『‥恥ずかしい。知られてたんですね』






鞄から手帳を出して、開いてみせようとしている。








NJ「別に見せなくてもいい」



見せられてもどうしたらいいんだ





『これ‥覚えてます？』




NJ「ん？」

　




小さなピンクのカード

桜の形をしている






NJ「俺がなにかしたのか」



『プリンです。覚えてないですか？』






プリン‥‥‥‥プリン？





『社長が買ってくれたプリンについてたんです。

　あの有名なお店のやつですよ』







NJ「‥買った。そうだ‥」



『すごく嬉しかったので、持ってたんです。

　可愛くないですか』





NJ「‥俺じゃないと思っていた」




『ずーっとあの時から、社長のこと想ってましたよ』





なんで気づかなかったんだろう


つくづく俺は抜けている





『社長 鈍いですよね』




NJ「それは認める」




『そういうところも好きなんですけど』




可愛い


常に頭を撫でて可愛がりたくなる。






『あー帰りたくないです』



NJ「休み足りないな」



『延長してもいいですか？』



NJ「これ以上は困る」



『フフフ 明日からまた頑張ります』





また来よう、そう約束をして

俺達の短い短い休暇は終わった。

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